
世界的な物価高に加え、米の価格高騰で消費者は1円でも安く食材を購入できる食品スーパーに流れている。しかし、物流費の高騰や人手不足でスーパーの経営は逼迫。生き残りを懸けて、競合他社との合併を選ぶケースも多発し、スーパー業界は大再編時代に突入している。では、各社の給与事情はどうか。特集『25年 給料ランキング』の本稿では、総合スーパーと食品スーパー主要30社の平均年間給与を比較した。(ダイヤモンド編集部 下本菜実)
人件費や物流費の高騰で
スーパー大再編時代へ
もはや、再編なしでは持ちこたえられないーー。
食品スーパー業界は人件費や物流費の高騰、人手不足などが引き金となり、各社は生き残りを懸けて同業他社との協業を模索する大再編時代に突入している。
目下、再編時代の台風の目となっているのがイオンだ。8月4日、イオンは首都圏と近畿エリアで子会社の店舗を統合する事業再編を行うと発表した。
首都圏では、子会社のユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス傘下のマックスバリュ東海に、ダイエーの関東事業とピーコックストアを、近畿エリアではダイエーに、ダイエー傘下の食品スーパーである光洋を統合する。
地方の食品スーパーがイオン傘下に入る動きも続いている。2025年5月、イオン九州は長崎県を中心に食品スーパーを展開するジョイフルサンアルファ (現ジョイフルサン)の買収を発表した。
一方で、“イオン1強”に風穴をあけるビッグディールもあった。ディスカウントストアのトライアル ホールディングスが、約3800億円を投じて西友を買収したのだ。2社の売り上げは単純合算で1兆2000億円を超え、セブン&アイホールディングス、イオン、ファーストリテイリングなどに続く小売業界6位に躍り出た。今後、トライアルは首都圏で小型店舗出店に攻勢をかける予定だ。
では、食品スーパーの雄として存在感が増しているイオンの給与水準はどうか。ダイヤモンド編集部は有価証券報告書の情報を基に、上場している主要食品スーパー30社の給与ランキングを作成した。
直近2期の平均年間給与では、イオンの平均給与がトップだった。しかし、イオンの上場子会社であるイオン北海道やイオン九州は下位15社にランクインした。次ページでは、各社の平均年間給与のほか、前年度からの増減率を公開する。