そのためには、上に述べた二国間関係の構造的変化を明確に認識するところから始め、その上で過去に縛られることのない未来志向的な日中、日韓の枠組みをつくっていく努力が必要である。

 まず、中国との尖閣問題、韓国との竹島問題については、残念ではあるが、直ちに解を求めるのは到底可能ではない。当面は、これらの問題をめぐり相手を刺激する言動をとることを双方が自制し、万が一の偶発的衝突を防ぐ政府間の連絡・危機管理体制をつくっておくことが、肝要ではなかろうか。

 歴史問題について、日本側は少なくともこれまでの政府の方針であった村山談話や河野談話を守ることを、明確に示さなければならない。中国や韓国は、歴史認識をめぐる反日キャンペーンを止めることに合意するべきであろう。慰安婦の問題についての工夫は、あり得るだろう。

エネルギー分野での日中協力などもよし
東アジア地域協力に向け日中韓で議題設定を

 その上で、日本と中国や韓国との将来的協力関係のビジョンを示していくことが重要である。日中間ではエネルギーや環境、ひいては都市計画などの分野の協力は双方を益する。

 また日中韓の間で、経済連携協定や非伝統的安全保障などの分野における東アジア地域協力に向けて議題設定をすることは、地域を大きく益することになるだろう。

 将来に向けて共通利益を持ち、その共通利益を壊すことが国益を大きく棄損するという認識が確立されてこそ、国家間の関係は安定したものとなる。そうなれば自ずと、相互に対する国民感情も好転していくに違いない。