先週の総括
先週の日経平均株価は、週末にかけて調整した。2日に発表された米国雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想ほど落ち込まなかったため、米国景気に対する悲観論が払拭され、米国株式に買いが集まった。
連休後の日経平均株価はこの流れを受けて1万4000円台に乗せたが、材料不足で上伸できずもみ合いとなった。週末は主力企業が今期減益決算を発表したため、今期企業業績に対する不安感が台頭し反落、結局前週末比2.8%安い1万3655円で引けた。
規模別には大型株が失速したが、小型株に資金が流入した。マザーズ指数は5.3%の大幅上昇。ヘラクレス指数も4.2%上昇し、新興市場が賑わった。業種別には、NY原油市場が1バレル124ドルまで上昇したことを受けて鉱業が大幅上昇。商社株を含む卸売業も物色された。一方で、金融業・不動産業など直近買われた業種が売られた。
今週の予報
ITサービス業界:
金融機関向け需要は堅調で
「曇」→「曇」
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今週の日経平均株価は、もみ合いとなりそうだ。米国株式の堅調と円高一服、4月に入り外国人投資家が買い越しに転じるなど不安材料が少なくなりつつある。
一方、企業業績には暗雲が立ち込めている。トヨタ自動車など主力企業が今期減益決算予想を発表している。2009年3月期は7期ぶりの減益となる公算が大きい。4月の月間上昇幅は1324円と、2003年4月の底入れ以降では最大幅となったが、予想PERも16倍強まで上昇している。企業業績の支援材料がないと上値も限定的だろう。
ITサービス業界(野村総研・NTTデータ・冨士ソフトなど)は、今後IT投資の後退局面にあたり株価上昇は難しそうだが、需要が堅調な金融機関向けに強い(9719)住商情報システムに注目している。