「この人の頼みなら……」
みんなにそう思わせる秘訣

 Aさんはかつて、ある有名な企業で要職を務めていました。さまざまな分野に人的ネットワークをつくるのに非常によい環境にいたといえますが、単にお互いに知っているという関係では多忙な一流ビジネスパーソンは動いてくれません。しかし、Aさんからの依頼はみんな決して断らず、一生懸命取り組みます。

 Aさんの凄さはここにあると私は考えています。Aさんから依頼を受けた相手はみんな、「この人から頼まれたら絶対にやらなければいけない」と感じるのです。これは飛びぬけて仕事のできる人が持っている能力というかパワーの一つだと思います。

 私自身、依頼を受けてAさんのクライアント企業の人材採用のお手伝いをすることがありますが、そのときの成功率は100%。それはAさんのクライアント企業の採用力が高いからではなく、Aさんからの依頼は絶対失敗できないので、できるまでやるからなのです。

自分を大切に思ってくれる相手を
人は大切にする

 では、なぜ周りにいる人たちはAさんからの依頼に一生懸命取り組むのか。それは逆も真なりで、何か困ったことがあってもAさんに相談すれば解決に向けて全力で取り組んでくれるからです。

 私の周りには実際に困った局面に遭遇したとき、Aさんに手を尽くしてもらった人は少なくありません。ちょっと相談を持ちかけてもきちんと時間をとって、お酒を飲みながらじっくり話を聞いて適切なアドバイスをくれます(しかもAさんのおごりです)。

 仕事のなかでは一つひとつの約束を必ず守ってくれるのはもちろん、「あの件はどうなったかな」と思った頃、絶妙なタイミングで「いま、こんな状況になっています」と中間報告を入れてくれます。こちらからすれば、Aさんとお付き合いしていると自分のことや仕事を真剣に大切にしてくれていると強く感じます。