楽屋では、芸人たちがコンパした、エッチした、3Pしたという話をガンガンしている。それなのに、舞台の上ではそれを秘密にして、僕のことだけを責めていたわけです。一人をつるし上げてみんなが自分の身を守る、政治家と同じ手口ですよ。

「小学生時代、弟の財布からコッソリ金を抜いていたら、弟も僕の財布から金を抜いていて全然増えなかったということがありましたね」(村本)

 そこで僕は「よし、こいつらに復讐しよう」と思ったんです。僕を含めた芸人たちがファンに手を出して遊びまくっていることを全部まとめて言うことによって、コイツらは震えあがるだろうと。僕は自分から言っているから、たとえ責められてもノーダメージ。そうやって裏のことを全部言ってやろうという気持ちから、こういうファイティングスタイルになりました。

『嫌われる勇気』(岸見一郎、古賀史健著、ダイヤモンド社)フロイト、ユングと並び心理学の三大巨頭と呼ばれるアルフレッド・アドラーの思想をわかりやすく解説した書。現在40万部のベストセラー。

 ファンに手を出していると言うと、「気持ち悪い」っていう反応をする女がいるんです。でも、ちょっと待てと。お前だって、自分が大好きで憧れているアイドルに電話番号を教えて、電話がかかってきたら嬉しいだろうと。誘われたらそういう行為をしてしまうだろうと。それの何が悪いんだということですよ。アホやから想像力がなくて、リアルを考えられないんです。

 僕がやっているのは世直しなんですよ。本来は僕が言っていることのほうが正しいはず。僕はただ、タグが表にきて裏返しになっているTシャツを元に戻しているだけなのかもしれないですね。

 こういう話をすると、芸人仲間からは「お前、すごいな」って言われたりするんです。でも、僕のことをそう思うってことは、裏を返せば、自分が目先の好感度を気にしすぎているだけなんですよ。お前なんかどんだけゴミ拾いしてもCMは来ないぞ、っていうヤツばっかりですから。僕はそんな半端なことをするぐらいだったら、これからもファンに手を出し続けますよ。