たしかに井上さんは、他のリポーターさんと比べて印象に残りますね。

 僕が井上さんの本を読んでまず感じたのは、職種も違うし、要求されることも違うけど、使えることは多いなと……。異業種であるが故の興味深さもありました。

 具体的に、共感した点で言わせていただくと、「ネットの情報より、1対1の価値ある情報。何事も直接会う」。これは、井上さんがおっしゃるとおり、まさしくそうで、たとえば僕らの世代って、彼女を口説くときに、まずはデートの下見から始めましたからね。

井上 あ~、しましたね~。したした! 失敗は絶対に許されないから……。

 このデートがもしもうまくいったなら、「こっちに行けば、キレイな夜景スポットがあるな」とか、シチュエーションからコースから全部考えて。

井上 演出も含めてね。

 そうなんですよ。東京タワーが10時に“点灯”するとわかっていて、その瞬間にピッタリ合うように飯倉の交差点まで彼女を連れて行く。「あれが僕が君にあげるキャンドルだよ!」と振り返った瞬間、ステーンと“転倒”したのは僕だったっていう……。

林修が共感した<br />「足を運ぶ」「人と会う」ことの大切さ<br />【林修×井上公造対談】(前編)

井上 先生、話にオチがありすぎです(笑)。でも、わかりますよ。我々は一生懸命下見をして、デートに全エネルギーを注いでいました。今の子って、まずネットで見て、「グルメサイトで星がいっぱいついてるから行こうかな」みたいな。それで結構な確率で失敗するんですよ。

 おっしゃるとおり! この本にも書かれているように、“実際に足を運ぶ”“人と会うことがどれほど大事か”ということを、身をもって体験したほうがいいですよね。

 あともう1つ、これも嬉しかったんです。自分の本『いつやるか? 今でしょ!』で、「人間の顔には利き顔がある」って、井上さんと同じことを書いているんですよ。僕の利き顔は左。周りから「それって、なんの根拠もないんじゃない?」と言われ続けてきたんですけど、井上さんの本を読んで、「ほら見ろ! 僕の独りよがりじゃないだろ?」と援護していただいたようでとても嬉しかった。