自社に埋もれるキャリア開発のモデルを探せ
失敗や試行錯誤から学ぶ人事部が成功する

 キャリア開発というと、なにか難しいキャリア開発モデルや運用方法があって、モデルの専門知識をもったコンサルタントの支援や運用のためのシステムが不可欠だと思いがちだ。もちろん、コンサルタントの支援やシステムの支えは有用だが、これらがなくとも道筋はつけることができる。自社のこれまでの経験値の中に、間違いなく自社ならではのキャリア開発モデルがあるからだ。

「カスタマーサポートから営業へ異動して成功した」「シンプルな営業経験者よりも、複雑な営業経験者の方が営業マネジャーとして成功している」「役員秘書の中には顧客サービスマネジャーとしての資質を持つ社員がいる」「社員教育担当は、ビジネス部門の経験者でシニアな方の経験が生きるポジションだ」――などの自社ならではのモデルこそが、自社でのキャリアモデルの正解だ。これを、実現していければよい。

 人事部門の役割は、このモデルを見出し、ビジネス部門と連携していきながら、ひとつひとつ実現していくことだ。

 ただ、ひとつだけ間違ってはならないことは、このモデル、100戦100勝には決してならないということだ。ビジネスを作り上げるのは、生身の人間だ。ビジネスマネジャーであろうと、人事マネジャーであろうとその人間のパフォーマンスを100%読み通すことはできない。

 従って、必ずしも期待通り、予想通りには進まない。むしろ、期待通り、予想どおりに進まない前提で、ビジネスプロセスに試行錯誤のプロセスを、人事評価にも七転び八起きを評価する原則を盛り込むことが不可欠だ。試行錯誤なきところに進歩はないからだ。

※社名や個人名は全て仮名です。