ただ、たまたま越智さんは当時、一軒家タイプのシェアハウスに住んでいた。

 長期間、まったく物音がしないことを心配した同居人が、自殺していると思って部屋に駆けこんで来た。

 越智さんは、そのときのことをあまり覚えていない。その時期、誰にも会いたくなかった。「1人でいたら、誰とも連絡取れず、死んでいただろう」と振り返る。

 死にかけたのをきっかけに、これは人間の生活じゃないと思って、越智さんは病院に行った。処方された薬も飲むようになって、3週間ほどすると、自然に起きられるようになった。

偶然出会った「ひきこもりイケメン化計画」
たった3時間!プロの力で大変身

 越智さんは、辞めた転職先に復帰できないかを相談したものの、再雇用はしてもらえなかった。

 そもそも、転職してもまた同じことを繰り返すだろう。朝、起きて、定時に通うというワークスタイルが合わないのではないかと思った。

「うつ病などの人の助けになる活動をしたい」

 そんなとき、転職先の社長は、越智さんのために50万円ほどの費用を負担し、コーチングの授業を受けさせてくれた。

「フリーランスでやっていく覚悟でやらないとダメだよ」

 そう社長から後押しされた。

 そして、転職先の会社が入っている「MOV」というシェアオフィスで、たまたま出会ったのが、「「ひきこもりイケメン化(おんな前)」のプロジェクトを手がける「セルフイメージ スタイリスト」の乃浬子さんだった。

 外に出たくても、外見が気になる。長く引きこもっていると、どのようにショップで服を選べばいいのかもわからない。だから、誰かにショップまで付き添ってもらい、コーディネートしてほしい。

 そもそも「ひきこもりイケメン化(おんな前)計画」とは、昨年秋のひきこもり大学で、当事者からそんな要望が出され、別の当事者がそうネーミングしたものだ。

 その話を聞いた乃浬子さんらが、『ひきこもりフューチャーセッション「庵」』」での対話を続けながら、「ひきこもりイケメン化(おんな前)計画」を具現化してくれた。