超あがり症だった著者が、1日数分のトレーニングを約10日間続けただけで、あがり症を克服。 以来、300人の前でもあがるどころか、聴衆を引き付けてやまない話し方を身につけるまでに変身。一体、どうやったのか? その方法を5回にわたって紹介します。

5人の前でも話せない超あがり症で半引きこもり状態に

 私があがり症になったのは、何を隠そう、あのノストラダムスのおじさんのせいだ。

「1999年7の月 空から恐怖の大王が降ってくるだろう」

 中学生の頃、この人類滅亡説を聞いて思った。

「社会に出た時に困らないために勉強するのに、私が大学を卒業する頃には世界がなくなっているなんて、勉強し損じゃない? ばかみたいだ」

 それなら適当に学校行って、楽しいことだけして死んだほうがましに決まっている。こういう訳で、高校生になって、私はまったく勉強をしなくなった。

 そんな私は、授業で先生に当てられるのが何よりも苦痛だった。勉強していないので当然答えられない。

 でも、中学時代まで割と勉強ができていたこともあり、プライドだけは高く、答えられなくてみんなから笑われることには、全く免疫がなかった。

 いつも当てられないかとビクビクし、当てられれば答えられず、「恥ずかしい」という感情を何度も何度も体験することになる。

 逃げてごまかす癖と、できないことを恥ずかしいと感じる癖が、私の中にがっつりと根付いてしまった。

 しかし、勉強はできなくても、小学校の頃からやっていた音楽だけはよくできた。吹奏楽部で先生やみんなに「うまい、うまい」と持ち上げられていたため、何を勘違いしたのか、音楽大学に進むことにした。

金光サリィ (かねみつ・さりぃ) ヴィゴラスマインド代表 メンタルコミュニケーショントレーナー 1977年福岡生まれ。広島育ち。東京在住 極度のあがり症に長年苦しむが、脳科学・心理学を中心に学び、それらをもとに考えた手法で、わずか10日間で克服する。 「人は短期間で劇的に変化できる」という実体験に基づき、全国規模の国家資格予備校のメンタルコミュニケーショントレーナーとして、1万人以上の受験生の相談役を8年間務める。同予備校の経営者としても活躍。心理学を応用したマーケティングを推進し、代表取締役に就任して直ぐ、売上前年比350%アップを果たし、業界No.1の予備校とする。  2010年、ヴィゴラスマインドを立ち上げ、脳科学・心理学などを用いた、業績アップに関するビジネスサポート、あがり症克服などに関するプライベートサポートを提供している。ヴィゴラスマインド http://vigomind.com/