超あがり症だった著者が、1日数分のトレーニングを約10日間続けただけで、あがり症を克服。 以来、300人の前でもあがるどころか、聴衆を引き付けてやまない話し方を身につけるまでに変身。一体、どうやったのか? その方法を5回にわたって紹介します。
5人の前でも話せない超あがり症で半引きこもり状態に
私があがり症になったのは、何を隠そう、あのノストラダムスのおじさんのせいだ。
「1999年7の月 空から恐怖の大王が降ってくるだろう」
中学生の頃、この人類滅亡説を聞いて思った。
「社会に出た時に困らないために勉強するのに、私が大学を卒業する頃には世界がなくなっているなんて、勉強し損じゃない? ばかみたいだ」
それなら適当に学校行って、楽しいことだけして死んだほうがましに決まっている。こういう訳で、高校生になって、私はまったく勉強をしなくなった。
そんな私は、授業で先生に当てられるのが何よりも苦痛だった。勉強していないので当然答えられない。
でも、中学時代まで割と勉強ができていたこともあり、プライドだけは高く、答えられなくてみんなから笑われることには、全く免疫がなかった。
いつも当てられないかとビクビクし、当てられれば答えられず、「恥ずかしい」という感情を何度も何度も体験することになる。
逃げてごまかす癖と、できないことを恥ずかしいと感じる癖が、私の中にがっつりと根付いてしまった。
しかし、勉強はできなくても、小学校の頃からやっていた音楽だけはよくできた。吹奏楽部で先生やみんなに「うまい、うまい」と持ち上げられていたため、何を勘違いしたのか、音楽大学に進むことにした。