早ければ6年後にも大学入試のための「達成度テスト」が導入される。高大接続テスト等々、これまでも紆余曲折してきたが、いまや大学改革は文部科学省だけの問題ではなくなっている。今度の達成度テストの導入は、大学入試センター試験を廃止するなど大仕掛けなものであり、それだけに慎重に進められている。

大学受験模試からの撤退は当然の帰結だった

「基礎」と「発展」という2つのレベルが検討されている達成度テストは、模擬試験を無力化させるだけのインパクトを秘めている。

 基礎レベルは、高校の授業で十分にクリアされるものになるだろうから、塾や予備校に通う必要はないし、そもそも学習意欲が低い層を相手に模擬試験をしたところでどのくらいの需要が見込まれるだろうか、という話になる。

 到達度テストでは、得点を1点刻みではなく大括りで表示することが議論されている。これは絶対的な学力水準を測るものであり、他の受験生と競う必要もないから、自分の相対的な位置を受験生が知る必要はなくなる。模試ではなく、問題集でトレーニングしたほうが余程効率的だ、ということになる。

 その上、SGHのような探究型学習が高校にどんどん入って行くと、高校生はとても忙しくなる。

 少なくとも、東大や京大、早大では「多面的評価」がこれから導入されていく。多面的評価は学力だけではなく、いろいろな要素が合否判定に加味される。そうなると、学力(偏差値)だけをものさしにした「大学入試難易度ランキング」はだんだん意味をなくしていくことになる。模試の未来は暗い。

中高年には厳しいリストラ

 私はかつて河合塾に勤めていた関係から代ゼミにも何人も仲間がいる。職員も40歳以上がリストラの対象だという情報も入ってきた。仲間がこの先どうなるのか心配である。

 講師には、既に学内予備校での需要があるし、これだけの校舎を閉めるとなれば仕事にありつけない講師は随分な数になるはずだから、彼らが新しい予備校を作るという話が出てきてもおかしくない。