元祖低価格航空会社のスカイマークの資金繰りが不安視されている。多額の違約金負担を前に、無借金経営が裏目に出ている上に、リース債務という大きな難問も控えている。

 航空機メーカー、エアバスに発注した大型機の支払いをめぐり、経営不安が表面化したスカイマーク。エアバスにA380という超大型機を発注したのは2011年のことで、6機を1900億円で購入する契約を結んでいた。

 つまずきの原因は、ここにある。それ以前は、国内の採算性の高い路線に経営資源を集中させてきたが、日本航空(JAL)や全日本空輸ですら所有していない超大型機を引っ提げて、国際線への参入で一勝負しようとしたのだ。

 実際、スカイマークの11年3月期の営業キャッシュフローを見ると148億円で、購入資金の総額はキャッシュフロー10年分を軽く上回る。いかに身の丈を超えた買い物だったのかが分かる。

 当時の業績は好調で、そのまま成長が続けば、支払い可能だと判断したのだろうが、その後、格安航空会社(LCC)の台頭に加え、ドル建てでの契約が円安の進行で負担が膨らんだ結果、エアバスへの支払いが困難となり、解約へとつながった。

 エアバスは700億円にも上る違約金を要求。スカイマークは直近の14年3月期には、25億円の営業赤字に転落している上に、手元の現金はたったの72億円(14年6月末)にすぎない。そのため、一気に、資金繰りへの不安が高まったのだ。