しかし、これは正しくないと思う。経済的には北海油田がスコットランドに帰属するとなれば、ポンドを支えてきた産油国としての英国の強さが失われる。また、英国とスコットランドの完全な経済一体化が進んでいた中での分離独立であり、外国からの投資を含め最終的に両国の経済関係が整理されるに至るまで、大きな混乱が生じるだろう。スコットランドとEUとの関係も、当面絶たれることとなる。これらのことを考えると、経済的なロスは極めて大きい。

英国の政治経済的影響力が低下
ポンドの大幅下落は不可避

 安全保障の観点でも、スコットランドは核配備可能な原子力潜水艦の基地をはじめ、大きな戦略的意味を持っているところであり、非核化を鮮明にしているスコットランド独立計画の下では英国の戦略的損失も甚大である。

 また、英国は大英帝国の時代から大きな政治的影響力を保持してきたが、その本質は国々とのパートナーシップづくりの巧みさという面があった。

 米国との「特殊な関係」、EUのなかでの他の大国である独・仏とのバランス、エリザベス女王を元首に抱く英連邦との関係、さらには安保理常任理事国という立場の活用など、自国の国力以上の政治的影響力を行使してきた。その最も中核となってきた概念である「連合王国」からのスコットランドの離脱は、大きなダメージとなる。

 これらの政治経済的ダメージが、当面ポンドの大幅下落につながることは避けられないのではないか。また、日本を含め外国投資の見直しが行われていくことになるのだろう。EU、NATO、国連安保理をはじめ、国際場裏での影響力も低下していくということだろう。