ジェームズ・ダイソンが抱いていた不満
これを見事にやってのけたのが、今や大人気のダイソンのサイクロン式掃除機の生みの親、ジェームズ・ダイソンだ。
ジェームズが「取り除く」ことを思いついたのは、1970年代後半だった。
イギリス人のジェームズは不満を募らせていた。
「最高品質」という宣伝文句を信じて購入した掃除機の吸引力がどんどん低下していたからだ。腹を立てたジェームズが掃除機を分解して内部を調べてみたところ、ゴミをためる紙パックが目詰まりしていた。吸引力の低下はこの「目詰まり」が原因だったのだ。
そこでジェームズはひらめいた。
「紙パックをなくしたら、吸引力は低下しないんじゃないか」
そして、吸引力がずっと低下しない掃除機があったら世界中で愛されるに違いない!このひらめきは、ジェームズの頭から離れなくなった。「気になってしょうがなくて、この問題を解決してくれそうな技術を探しまわったよ」と彼は振り返る。