本音がわかれば、人とのつき合いが変わる

 相手の本音が見抜けたらどれだけラクなんだろう……。どんな人でも一度は考えたことがあるのではないでしょうか? 対人関係に悩む人ほど、ネガティブに考えがちです。そういう人ほど、この願望は強いのではないでしょうか?

 ある役者さんのインタビューをしたとき、どうしても聞きたかったことについてあの手この手を使ってみたものの、答えを聞き出すどころか相手が不機嫌になって終わってしまったことがありました。どうしても納得がいかなかった僕は彼と同業、つまり役者の知り合いに連絡をとり、どうしてこうなったのかを尋ねてみたのです。

 彼は「正解かどうかはわからないけど」と前置きして、「役者というのは主役クラスだろうが脇役だろうが、ある程度のキャリアを重ねると自分の演技にこだわりをもっている。その部分を無視されたり、認めてもらえなかったりすると、相手の質問に答えたくなくなってしまう」と、役者にしかわかり得ない思考を説明してくれました。

 さらに、「イチローや中田ヒデが無愛想に見えるときがあるでしょ? ヒデは「この人、サッカーわかってないな」と感じた瞬間にしゃべりたくなくなるだろうし、イチローにしたって同じ。これと同じことが役者にもいえるから、役者から本音を引き出したいのであればきちんと作品を見たうえで話を聞くと、また変わってくるんじゃないのかな? その人の本音を聞きたいのなら、その人のことを勉強しないと」とアドバイスしてくれたのです。

 最初から本音を聞き出すことなんて超能力者でもないかぎり、誰にもできません。ただ、目の前の相手の気持ちに尊敬と感謝をもって接することが大事だとわかりました。

 僕はこのことを「質問に血を通わせる」と言っています。

 血を通わせるということは、そこに「配慮」があるということ。

 人とのつき合い方や本音の引き出し方は、教科書や参考書には載っていないからこそ、失敗を繰り返しながら学んでいくしかないのです。

 そうすることで、少しずつ自分の中で備わってきたものがあります。あるとき、ある場所である言動をするだけで、本音が次々とつかめるのです。このテクニックを知られたら、商売あがったりかもしれません(笑)。