きょう(11月11日)、行政刷新会議のワーキングチームによる事業仕分けがスタートした。東京・新宿の国立印刷局市ヶ谷センターで3つのワーキンググループが同時に作業を行う。
希望者は誰でも傍聴が可能だ。初日のきょうは激しい雨にもかかわらず、早速入り口には行列ができた。行政の無駄遣いへの国民の目はそれほど厳しいのだろう。
議長である鳩山首相は95兆円と見込まれる予算のうち約3兆円を事業仕分けによって節約したいとしている。たとえ結果はどうであれ、新たに踏み出したこの試み自体は評価されてしかるべきだ。
なぜなら、これまで官僚たちが思い通りにしてきた予算編成作業に一定の監視が行き届くからだ。仮に、一部しか改善できずとも、「あれも、これも適当に入れておけ」といったような霞が関の横暴に歯止めをかける効果は期待できる。事業仕分け作業をオープンにすることは、なによりの牽制となる。
さて、その事業仕分けの評価作業は、次の5段階(場合によっては6段階)に分けられる。
まず、最初に考慮されるのは(1)「必要性」だ。本当に社会から求められている事業かどうかを判断し、「不要」となれば対象から外される。
次は(2)「担い手」についての検討だ。本当に国が担うべきものか、あるいは地方の方が適していないかどうかが議論される。これによって国の事業ではないとされれば、地方自治体に委ねられる。
その次は(3)「緊要性」が考慮される。作業によって、本当に来年度予算の中で行うべき事業かどうか判断される。仮に緊要性に欠けるとなれば、来年度予算に入れることは見送られる。
次に(4)「内容・手法」への評価が行われる。本当に、事業の内容・組織・制度等に改革の余地はあるのかどうかを議論し、ここで了となっても、(5)「改革」として、さらなる改廃、改善が探られる。
その上で(6)「規模」としての予算の大きさの必要性を評価し、場合によっては縮減をするという選択肢が採られる。
これが仕分け作業の流れだが、次に具体的なその手順を説明する。
まず各省の担当者が5分程度で事業説明を行い、そのまま財務省主計官(局スタッフ)が3分程度で査定を表明して、各ワーキンググループの取りまとめ役が論点を整理する。
これらを総合し、いよいよ議論に移るための主テーマを設定し提示する。