「○○は○○に良い」「○○はレモン○個分のビタミンC!」などというのは、よくみる広告フレーズだ。実際、ある側面から見たらそれは紛れもない事実だし、ウソではない。でも、キャッチコピーやパッケージの文言、という限られた文字数の中で伝えるのは、どうしたって良いことの方が多くなる。でも、食も、仕事と同じように多面的に見る意識を忘れないでいてほしい。問題を解決する方法はそれだけなのだろうか。それを食べたから解決されるようなことなのだろうか。

大切なのは体の“土台づくり”
20分以上リラックスしながら食事を

 体は、あなたをストレスから守ろうとして、今日も一生懸命働いている。ストレスが増すほどに、ホルモンの材料となるタンパク質、そしてその合成に関わるビタミンB群やビタミンCの必要量が増す。何か特定の食品を食べれば解決できるようなものではないことは明らかだ。朝食を摂っていない、パソコン作業しながら適当に済ます食事が多い…こうした食習慣を見直して、確かな土台作りをしていくことが必要だ。この連載も、トピックスに添った栄養素もしくは食材を強調して書くことはもちろんある。でも、それは、土台あってこそ。“土台+α”の話である。

 そのためには、リラックスできる環境で、美味しい、と思えるものを、できれば、20分以上会話をしながら食べることができる機会を少し増やしてほしい。副交感神経が優位に働く状態で食事をすることで、より効率的に栄養を摂ることができ、ストレス抵抗力をあげていくことができる。

 イメージとしての環境設定が頭に入っていれば、30秒で飲み干すエネルギー飲料だけの朝食や菓子パンと野菜ジュースの組み合わせが、体に気を使っているようで、“土台”にはなっていないことに感覚的に気がつくだろう。そして、野菜のように噛む回数が多いものを添えなければ、20分も持たない…ということもわかるかもしれない。そうなったら、麺類や丼めし“だけ”で済ますこともなくなり、自然と栄養バランスが整うようになるもなるだろう。

 誰しもが絶対にうつを発症する仕事というのはないし、逆に、絶対に発症しない仕事というのもない。心身共に健康に働き続けるためには自分の中の“落としどころ”が必要だ。まじめすぎないこと、根を詰めないことが大事だといっても、ほどほどのところで妥協したり、人に任せることは実際のところなかなか難しい。だからこそ、抜きの時間を作ることをもっと積極的に意識しよう。