一方で、東京ベスト保育園594の中では下位に甘んじた台東区のある保育園をみてみよう。点数の低かった項目から判断すると、利用者個人の尊重を軽視しており、不満・要望への対応も良くなさそうだ。

 そこで実際に子どもを通わせている保護者を取材してみた。保護者は、「延長保育に対応しているのでお願いしてみたら、子どもがかわいそうだと説教された」と憤慨しており、東京ベスト保育園594の結果に大きな間違いはなかった。さらにホームページで公開されている第三者評価によると、2013年度は保育士が欠員しているという問題も抱えている保育園だった。

 ただし、「行事や習い事が充実していて、子どもは満足している」(保護者)という意見もあり、悪い点ばかりではなかった。なお、この保育園は本誌の取材には応じず、「ノーコメント」としている。

 東京ベスト保育園594は東京都の第三者評価をベースに作成しており、意欲がある保育園が多い。このランキングで下位であったとしても、東京都全体では必ずしも下位であるとは限らない。それでも、ランキング上位と下位では、「利用者が安心できる保育園」という視点では、大きな差が存在していた。下位に甘んじた保育園のように、延長保育をお願いしただけ説教されるようでは、保護者も落ち着いて子どもを預けられないだろう。

 現在、待機児童問題の解決へ保育園の「量」の確保が求められているが、その一方で「質」が落ちては元も子もない。保育園の質を向上させていく上でも、今回のような保育園を比較する動きは加速していくことになるだろう。