カントの好物はタラとコーヒー、それにチーズだった。特にチーズは必須だったらしく晩年、食べ過ぎで体調を崩し、医者に止められても看護人に「チーズをくれ」と懇願したくらいだ。

 チーズは乳成分が濃縮されたものなので栄養は豊富だ。特に少量で効率のよいカルシウムの摂取が期待できるので、散歩に必要な強い足腰と骨を作るにはうってつけの食材。ちなみに厚生労働省によると日本人はカルシウム不足気味だ。

 散歩は心肺機能を向上させ、刺激を与えることで骨のカルシウム量も増やす。散歩という適度な運動と食事のおかげか、カントは79歳まで生きた。

 ところでカントの最期の言葉は「Es ist gut(It's good)」日本語では「これでいい」と広く知られている言葉だが、最初に訳した人は誰なのだろう? 実際は砂糖水で薄めたぶどう酒を口に含んだ後なので「うまい」くらいに訳すのが正しいのかもしれないが、希代の哲学者の最期の言葉としてはあえて「これでいい」と直訳した方が確かに似合う気がする。

※参考文献/『カントの人間学』中島義道著