1年で一番寒い季節になりました。この冬は一段と寒さが厳しく、体を温めようと遅い時間にお酒を飲む方も多いのではないでしょうか。

前回も書きましたが、どんな生物にも体内時計があり、それを基に内臓やホルモンなどが複雑に働いていることが明らかになりました。夜9時以降の飲食によって得られるエネルギーは、ほとんどが脂肪として貯蔵されることがわかったのです。

 今回は、遅い時間にお酒を飲むときに、体への負担を少しでも軽くするつまみを考えてみます。基本は次の3つ。(1)胃の粘膜を保護する。(2)肝臓に負担をかけない食べ物を取る。(3)解毒効果のあるものを取る。

 まず、飲む前に食道や胃の粘膜を守るために乳製品、キャベツのジュースを取ります。つまみは、酒毒を解消するといわれる林檎の薄切りと一緒に、低カロリーのチーズを選んで食べることをお勧めします。

 次に、肝臓に負担をかけないようにするためには高タンパクで消化のよいものを心がけてください。カキやホタテなど貝類には肝機能を助けるタウリンが豊富です。一緒にカロテン豊富なニンジンやホウレンソウを取るとさらによいですね。ワイン蒸しにした貝類にニンジンのすりおろしドレッシング、ホウレンソウとカキの炒め物など。解毒作用のあるリンゴのジュース、ワカメとタラのスープなどもいいでしょう。

 ここで紹介する野菜のピクルスはチーズを食べるときにお薦めです。チーズの脂肪の吸収を防いで酢が肝の働きを高めます。また、酢は血の巡りをよくする効果もあります。

夜9時以降の飲酒には<br />胃や肝臓に優しいつまみをチーズと一緒にお酒のお供に
撮影/中川真理子

●野菜のピクルス
材料(2人分):
タマネギ1個、ニンジン1/2本、酢・水・白ワイン各100ミリリットル、塩小さじ1、砂糖大さじ2、黒こしょう4~5粒

作り方:
(1)野菜は食べやすい大きさに切る。
(2)ホーローかステンレスの鍋に酢、水、白ワイン、塩、砂糖、黒こしょうを入れてひと煮立ちさせ火を止める。
(3)(1)に(2)をかけて15~30分ほど浸す。

※冷めたら保存容器に入れて冷蔵。2週間程度保存できる。
※黒こしょうの代わりに、加熱後、唐辛子、マスタードを加えてもおいしい。