『ニートと引き籠りを「シリア」に派遣する黒幕!』
週刊新潮10月23日号の特集記事に、そんなおどろおどろしい見出しが躍っていた。
「徴兵制にして、引きこもりを戦場に送ったらいい」
「ニートをサマワに派遣せよ!」
10年以上前にも、政治家の間から、そうした発言が飛び出して議論になったことがあった。
「またか…」と思って、記事を読んでみる。
記事は『「北大生」に「イスラム国」を勧めた東大中退「大司教」』というタイトルの特集。「社会に適応し難い人間の仕事や生きがいを探す仕事を行っていた」という“大司教”について、「公安関係者」がこうコメントしている。
「『イスラム国』の外国人兵士らが月給をもらい、衣食住には困らないことを知った」
「北大生で成功すれば、今後、生きることに絶望している引き籠りやニートを。第2、第3の志願兵として送り込もうとしていた可能性もある」
「イスラム国」は第二のオウムか?
居場所なくした若者の新たな“受け皿”に
高度経済成長期が終わる頃から、衰退した学生運動に代わって、オウム真理教のような新興宗教が社会に「居場所」や「肩書」を失った若者たちの受け皿的な機能を果たしてきた。
この「公安関係者」の語る「可能性」の根拠は、よくわからない。ただ、もしそうだとしたら、「オウム」が事実上消失したいま、「イスラム国」の志願兵となって戦闘に行くことが、社会に生きがいを見出せなくなっている若者の新たな「受け皿」として轢きつけるものを持っているということなのか。
その後、たまたま見ていたテレビの情報番組でも、「イスラム国」戦士へのニーズに沿うかのような若者たちのコメントが次々に紹介されていて驚いた。