「ちゃんと仕事をしてこなかった人」は
面接で話が盛り上がらない

 ずっと転職活動をしているのにまったく内定を出してもらえず、どこにも受からない。その意味で「転職に失敗する人」の要因について、今回は考えてみましょう。

 もっともよく見られる要因は「ちゃんと仕事をしてこなかった」です。当たり前といえば当たり前ですが、この点はしっかり面接で見抜かれます。

 中途採用で企業はどんな人を求めるかというと、現状を打破してくれる人、新しい付加価値を提供してくれるような人です。困難な状況を自らのアイデアと行動で打開したり、通常では考えられないような成果を出したりするような人を企業は欲しがっているのです。

 もちろん中途採用でも、定められた範囲の業務をきちんとこなせればOKという求人もあります。しかし幹部やリーダークラスなど、我々のところに依頼がくるような年収800万円以上のポジションには高い成果が期待されています。

 このクラスではやる気や、いわゆる地頭の良さを評価するポテンシャル採用のウエイトは低く、実際に高い成果を出した経験の有無が問われ、面接官はその「証拠探し」を面接で行います。いつ・どこで・何を・なぜ・どのように行動し、その結果がどうだったのかを根掘り葉掘り具体的に聞いていきます。

 ちゃんと仕事をしてきた人は、これらの問いに生き生きと答えます。要は自分の自慢話を向こうから聞いてくれているようなものですから、「よくぞ聞いてくれました!」という話しぶりになるのです。そうなると面接官の興味のレベルも上がり、面接自体が大いに盛り上がります。

 しかし、ちゃんと仕事をしてこなかった人は「なぜそうしたのですか?」と尋ねても「なぜと言われても……」と答えが出ず、とてもつらい会話になります。これでは内定が出るわけがありません。