なぜ、世田谷で開催?
なぜ、川崎市と連携を模索?
このセミナーが開催されることを筆者が知ったのは、今年9月末。筆者も参加した二子玉川で行われた“市民参加型のミーティング”に、保坂展人・世田谷区長がサプライズで登場。そこでチラシを配って「近隣の川崎市の福田市長、経済産業省、そしてトヨタの講演もある。是非皆さんも参加して、燃料電池車について一緒に考えてほしい」と、区長自らPRした。その際、筆者は保坂区長に直接「このセミナー、是非取材させていただきたい」と申し出た。
そして迎えた2014年10月28日(火)、東急田園都市線・三軒茶屋駅から徒歩2分。下町っぽい雰囲気の商店街の一角、世田谷産業プラザ3階の大会議室。題目は「世田谷新電研究会 第3回エネルギーセミナー/エネルギー革命最前線 ~「水素・燃料電池新時代」と「電力自由化~」。後援は、世田谷区、公益財団法人・世田谷産業振興公社、そして東京商工会議所世田谷支部。協力は、みんな電力株式会社である。
午後6時、大会議室といっても主催者側を含めた約100人の参加者が入ると、場内は満席となり立ち見も出た。
「先日も多摩川で、福田(川崎)市長と(渡し)船に乗ったが、5分でついた。世田谷と川崎、合わせて人口は230万人。エネルギーの大きな転換を自治体からという思いは(両首長として)一緒だ」(保坂展人・世田谷区長)
「(保坂区長との付き合いは)数ヵ月前、川崎の臨海部での水素に関する取り組み(の視察)で、来ていただいたことがキッカケだ」(福田紀彦・川崎市長)
今回登壇したのは両首長の他、経済産業省資源エネルギー庁 燃料電池推進室長の戸邉千広氏が「水素社会の実現に向けた取組の加速」で講演。トヨタ自動車 東京技術部部長の樫根喜久氏が「燃料電池車(FCV)の市場投入に向けた現状と課題」、さらに富士通総研経済研究所主任研究員の高橋洋氏が「電力小売り全面自由化:2016年に向けた展望」との題目で発表した。
セミナー後半では、保坂区長がコーディネーターとなり、登壇者全員によるパネルディスカッションも行われた。