一方オバマ大統領は、「新型の大国関係」という言葉を使わず、利益が重複する分野(貿易・投資の促進、軍同士の信頼醸成、観光客等の人的交流、さらにテロ、核問題、エボラ、気候変動等のグローバルな課題)での協力推進が可能であるという点と、意見の相違はある分野についてはそれをマネージしていこうという趣旨を明確にした。

今後の地域秩序の行方は?
日米の戦略すり合わせが必要

 今後大きな問題は、果たしてこの地域の秩序形成が中国の思惑通りに進むのかどうかということである。

 米国の対中政策は揺れている。オバマ大統領が残りの任期2年でどのような対中政策をとっていくかは、日本のみならず世界に大きな影響を与え、ひいては中国自身の対外姿勢に影響を与えることとなる。

 日中首脳会談についても、今回は中国側によって意図的にトーンダウンされたものとなったが、今後の双方の対応いかんによっては将来に向けて大きな意味を持った首脳会談ともなり得る。日中は貿易・投資・観光・環境・エネルギーなどの分野での日中協力の軌道に戻す努力を行うべきであろう。

 米国や日本が的確な対応をすることによってのみ、中国の行動も建設的な方向に変わり得る。ついては日米がどのような共通戦略をとるべきか、考えてみよう。

 まず、日本と米国が分断され、米国が日本と十分な協議をせず対中政策を追求していくことになれば、問題である。日本が国内考慮だけで対中強硬路線をとっていくようなことになれば、米国にとっても具合が悪いのだろう。日米が、中国をめぐる戦略対話を重ねることが重要である。

 その意味で、G20の機会に開催された日米首脳会談は、本来は米中に先立ってトーンセッティングのために行うべきだったが、いずれにせよ実現されたことは好ましい。