状況2
仕事で起こり得る事態を
予見させることができない

対処法2
計画のシミュレーションで予見させる

「予見計画力」が高い計画立案は、高い実行可能性を持ちます。

「予見計画力」 とは、物事の本質を見きわめ、これから起こり得ることを予見したうえで、仕事の段取りを組むことです。要は、仕事の「先読み」や「見通しを持つ」ことを意味します。

 また、予見計画力は「経験から学ぶ力」の重要な要因であることが、これまでの調査で明らかになっています。計画立案段階において、トレーニーの予見計画力を高める指導が望まれます。

 予見計画力を高める有効な方策は、トレーナーが発問しながら、トレーニーに計画をシミュレーションさせることです。

(例)「この時、どのような作業を、どのような順序で行う?」
(例)「この作業で留意すべきことは何?」
(例)「もし、ここで~の事態になった場合、どうする?」
※リスク要因の事前検討
(例)「作業の流れを簡単に書き出してもらえる?」※計画の「見える化」

 このように問いかけることによって、よいシミュレーションが可能になります。

 よいシミュレーションとは、起こり得る事態を予見できることと言えます。

 逆に、うまくシミュレーションできないのであれば、起こり得る事態を予見できていないことになります。この場合は、計画の不備を修正させる必要があります。

「To Doリスト」を活用し、やるべき作業を列挙させ、「漏れや抜けがないか」「優先順位やスケジューリングに問題はないか」といった仕事の段取りをトレーニー本人に考えさせることも「予見計画力」の向上につながります。

 大事なことは、何回も同じように問いかけることで、言われなくとも、部下や後輩が自主的に考えることができるように習慣化することです。