都心部でのアパホテルの集中出店や、高級マンション事業などへの事業拡大を掲げ、「頂上戦略」を展開してきたアパグループ。現在の進捗状況と今後の戦略について聞いた。
──東京都心にホテルを続々とオープンさせてきたが、稼働率や客室単価の状況はどうですか。
ほぼ毎日満室で1日2組迎える客室もあることから、稼働率は100%を超えています。
とはいえ、客室の価格設定は完全に市場連動型で、安売りをしているわけではありません。各店の支配人に権限を持たせる形で、需給を見ながらメリハリのある価格を設定しています。
──今年から来年にかけて新宿地区に積極出店しますね。
今年夏に新宿御苑(411室)がオープン、来年秋にはいよいよ歌舞伎町タワー(620室)が開業予定で、ここ数年、新宿のホテルは一気に5軒になります。
コマ劇場跡地の再開発もあって、新宿は若い人が集まる、活気ある健全な街に生まれ変わります。日本人だけでなく外国人観光客もおり、需要はいくらでもありますよ。
──2020年の東京五輪開催も決まり、土地や建築費が上昇しています。
当社はリーマンショック後の地価暴落時に、都内で土地を積極的に取得してきたわけですが、今は「脱土地戦略」を進めています。自治体の入札に参加して、借地にホテルを建設することも始めました。例えば東京の下町・両国に、1000室もの大型ホテルを18年に開業する予定です。