図を見てほしい。右に行くほど評価が高く、上に行くほどやる気が強いのだが、通常、人事制度などで人事部が考えたいモチベーション曲線は黄色のようなカーブを描く。平均点より高い評価をもらった人は急速にモチベーションが上がり、低い人も発奮効果があると考えるのだ。これは大きな間違いだ。

 アベレージより低い点を取ったら誰でもモチベーションが下がるものだ。だから、理想的に言ってもモチベーション曲線は、曲線ではなく、せいぜい赤い直線だ。そして普通は青い曲線だ。

 つまり、どんなに評価されても、そんなに嬉しくない。ところが平均点より低いととたんにモチベーションが下がってしまう。だから、評価で差をつければつけるほど、会社全体のやる気の総和がむしろ下がるということになる。

 上の人のモチベーションを上げるために、下の人間を作るという、今世の中で行われている成果主義は、多くの場合失敗だと思う。だからモチベーションの低い、皆がギスギスした状態になってしまっている会社が多い。

 早くそこに気づくべきだ。競争はいいが、ゲームとしての競争であるべきであって、成功体験を積ませるためのゲームでないとダメだ。一人一人が成功すればいいのであって、相対評価などに意味はない。

 本来は成果主義というのは、「こうやったらこういう成果だよ」という成功パターンを勉強させるための道具だったはずだ。さらに言うと、Pay for Performanceであるから、全員のパフォーマンスが高ければ全員がもらい、全員のパフォーマンスが低かったら全員がもらえないというのが正しい。そこに競争や比較という言葉は一言も入っていない。だから成果主義に差をつけることが絶対だ、という概念を持ち込んだことが大間違いなのだ。つまり、日本は成果主義を競争主義と読み替えた。ここに大きな間違いがあったと思う。

 1にも2にも内発的動機をどうやって高めるか。リーダーが考えるべきはこれしかない。