部分最適がはびこる組織には、不調和のエンジンが存在すると博士は説きます。それが組織に本来備わっている能力を奪ってしまうのです。TOCは、不調和のエンジンの原因となっている人々の対立(ジレンマ)を解消し、人の和を生み出します。「人の和があれば、結果はおのずとついてくる」と、博士は精力的に語っていました。
そんなゴールドラット博士の理論を支えた信念は、次の4つでした。
(1)人はもともと善良である
(2)ものごとは、そもそもシンプルである
(3)すべての対立は解消できる
(4)わかっているとは決して言わない
4つ目の「わかっているとは決して言わない」は、亡くなる1週間前に側近に向けて語られたものです。この信念こそが、後に残された者たちがゴールドラット博士という「巨人の肩の上に立って」、彼が築いた知識体系を常に進化させていくためのエンジンとなっています。そして、この言葉が、結果として彼の遺言でした。
一人でも多くの人たちが、『ザ・ゴール』に書かれていることを実践し、周囲に和をもたらし、目覚ましい成果を出すとともに、さらにゴールドラット博士という「巨人の肩の上」に立って、新しい知識を生み出し、進化発展させていくことが残された私たちにできる博士への恩返しではないかと思っています。
命令形の「!」マークよりも、疑問形の「?」
全体最適のマネジメント理論である「制約理論」をもとに取り掛かるべき課題を洗い出し、正しい順序で改善していくプロセスをマンガでわかりやすく掲載!「ビジョン」や「パーパス」など、現代のビジネストレンドの基礎でもあり、これからの日本経済を支えていく次世代リーダーに読んでほしい一冊。 主人公を通してマネージャーに必要な思考法を学ぶことができる。 ビジネスだけでなく日常生活にも応用できる考え方も多数。仕事も家族も大切にしたいという人にぜひ読んでほしい。