上海交通大学「世界大学学術ランキング」サイト

「世界大学ランキング」として最初に出現したのは、上海交通大学の「世界大学学術ランキング」だ。2003年に公開が開始され、現在も毎年の更新が続いている。

「それ以前も、各国内の大学ランキングは個別に存在しました。特に米国は多かったです。最も典型的なのは、Economist誌の『MBAランキング』など、経済誌のMBAランキングです。これは2000年前後から見かけるようになりました。入学前と入学後の年収の伸びによるランキングもありましたね」(調氏)

 それはそれで、MBA入学希望者の目的には非常に適した指標だったかもしれない。

「2003年から公開され始めた上海交通大学の『世界大学学術ランキング』は、科学計量学の方法で取れるデータにほぼ頼っています。準公表データ的なもの・対価を払えば得られるデータも含め、手なり足なりネットなりで集められるデータによっています。研究については、論文データベースに加え、ノーベル賞・フィールズ賞の受賞者数も見ています」(調氏)

 ノーベル賞・フィールズ賞といった特殊過ぎる事例を大学の評価に持ち込むのには、筆者は非常に抵抗を感じる。

「かなり注目を集めましたね。でも、研究者コミュニティでは、それほど重要視されていませんでした。各大学の教員数・学生数は見ていませんし、reputation(評判)も評価していません」(調氏)

Times Higher Education(THE)「THE世界大学ランキング」サイト

 翌2004年、英国の高等教育専門誌「Times Higher Education(THE)」が、「THE世界大学ランキング」の公表を開始した。当初、雑誌の付録として毎年秋に作成されていたが、現在は雑誌から独立したコンテンツとなっている。当初、THEは「QS世界大学ランキング」のQuacquarelli Symonds(QS)社と共同でランキングを作成していたが、2010年以後はQS社との協力関係を解消し、学術出版事業も展開するトムソン・ロイター社と共同で「THE世界大学ランキング」を公表している。以後、QS社は独自に「QS世界大学ランキング」を公表している。

Quacquarelli Symonds(QS)「QS世界大学ランキング」サイト

「THEとQSは、いずれもreputationを重視しています。分野ごとに、各国の研究者に対して『この分野の研究で優れた大学は?』『この分野の教育で優れた大学は?』といったアンケートを行っています。また、研究を論文の被引用数で評価するだけではなく、学生にとっての教育環境・国際化の状況も評価しています。THEではさらに、教員の待遇・研究費・産学連携など、費用面の評価も含められています」(調氏)