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資料づくりに取りかかるとき、いきなりパソコンを開いてスライドを作りがちだ。しかし、それでは情報が整理されず、わかりにくい資料ができあがってしまう。マッキンゼー出身で年間100日以上の研修を行う著者が実践する、よい資料づくりに必要な作業とは?※本稿は、高松康平『課題解決の思考法「見えていない問題」を発見するアプローチ』(日本実業出版社)の一部を抜粋・編集したものです。

マッキンゼーに入社したものの
デキる同僚についていけない……

「現状が分かる」とは、今何が起きているのか、なぜそうなっているのかを理解するだけでなく、このままだとどうなるか未来を想像した上で、今をとらえることです。

 ただ、この「分かる」とはどういうことなのかを知らなかったのが、何を隠そう私自身です。

 私は新卒でマッキンゼーに入社し、コンサルタントとして働いていました。優秀な同期、厳しい先輩、クライアントとの本気の議論……。

「結果を出さなければ」と気合いが入っていた私は、当時を振り返ると空回りをしていたように思えます。

 過去のプロジェクトの資料やお客様のホームページを読んでみたけれど、頭に入ってこない。読んでみても、次に何をやればいいか分からず、どんどん時間だけが過ぎてしまいました。

 時間をかけて取り組んだにもかかわらず、その内容が頭に入ってきません。もう一度資料を読もうとしますが、何度読んでも頭の中には入ってきません。悪循環に陥りました。