視点を変えて、国際政治やアメリカでは、日本の集団自衛権問題がどのように捉えられているかについて、元航空自衛隊空将で米ハーバード大学シニアフェロー小野田治氏と、国際コラムニストの加藤嘉一氏が語り合っている(『「パワーシフト」のなかで激変する日本の安全保障 集団的自衛権は平和と安定のための一つのツール』)。対談後編(『安保政策のなかで誇張される集団的自衛権 冷ややかで警戒感を帯びる米国の視線』)では小野田氏が「国際社会における日本の政治的な立場に対して、日本人の頭からすっぽりと抜けていると思います。だからこそ、国際的にどのような国を目指していくのか、というビックピクチャーやゴール、ビジョンを語っても、ほとんど理解されないし議論が深まっていかない」と指摘しているが、まさに日本の政治と日本国民の特徴をよく言い表している。

 政府は自衛の措置としての武力行使の新三要件として――(1)我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること、(2)これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと、(3)必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと――を挙げている。(1)によって、集団的自衛権の行使が可能となった。

 ただ、より具体的な条件は法整備にゆだねられる。平和国家日本のあり様を大きく変えるかもれない、集団的自衛権について、冬休みの間にしばし考えを巡らせてはいかがだろうか。最後に、小野田・加藤対談で語られた加藤氏の言葉を読者のみなさんにお送りしたい。「国際社会で日本はどのような国として生きていくのかというビジョンと戦略の問題を政府だけでなく、民間レベル、そして若い人たちもこれまで以上に真剣に考え、行動を起こしていかないといけません。集団的自衛権のみをひとり歩きさせてはならない」。