委員たちからは、

「冬季に光熱費で圧迫されて最低生活以下になる生活保護世帯の生活を最低に引き上げるのが冬季加算と理解しています。冬季加算の時期を、地域によって長くする政策オプションはありますか?」(山田篤弘氏)

「除雪のこと、最後に触れられている。冬季のさまざまな費用、非常に重要。もっと強調を。強調しても強調し足りないが、節約してうまく賄うことが絶対に無理」(栃本一三郎氏)

「現在の生活保護世帯の生命や健康に悪影響があってはならない」(駒村康平氏)

「灯油の消費額。家系調査の支出でも、なかなか把握できない。電気、ガスも考慮して。特定加算が必要なのかも」(岩田正美氏)

「生活保護世帯は、貯金をしないことになっています(筆者注:生活保護制度では、公金による個人の資産形成はさせないという観点からも、当初からストック形成が想定されず、フローのみが想定されている)。一般世帯の場合、月別の支出を平準化しつつ『冬季はこれに』ができます。生保世帯はそれがないから、冬季加算。それを考える必要があります。実質的に冬季に暖房が使えなくならないような傍証が必要」(岩田正美氏)

「あとでとんでもないことが起こったら、私たちは責任を負うことができない。現実的な消費量を取り上げていくことが大事。差額、そんなにないにしても。確証がほしい」(岩田正美氏)

 という発言があった。特に岩田氏からは、生活扶助と特定加算とはこれまで設定の方式が異なってきたこと・現在の検討方式に関する発言もあった。これらの発言は、「生活保護基準」の根幹といってもよい内容であるが、あまりにも専門的なため今回は触れない。

 委員たちに対し、厚労省事務局は、

「光熱費、生活必需品目で節約が難しいので、冬季の増加分で検証した。冬季の灯油の消費量も考慮した。念のため、上の分位も考えた。でも全体で大きな差がなく、それが『それ以上節約できないので確保すべき』となるのかも」

 と、引き下げるという方向性を匂わせ、

「生活保護世帯は、貯金してはいけないということはなく、やりくりしてもらうことはできる。一般低所得者もやりくりしている。光熱費のやりくりも含めて、異なることはないと思う」

 と述べた。言い換えれば「冬季加算の意味? 知ったことか」ということだろうか?

 終了は19時10分過ぎごろだった。顔見知りの厚労省の若手官僚が、筆者に

「遅くまでありがとうございました。寒いのでお気をつけてお帰りください」

 と声をかけてくれた。

「ありがとうございます。よいお年を」

「いや、この仕事があるから、年末年始関係ないですよ」

 という会話流れの中、

「どうぞ、委員の先生方のご心配がなくなるような、良い報告書をお願いします。期待しています」

 と、ことさら笑顔で声をかけた筆者の前で、若手官僚は悲しそうに顔を歪めた。間違っても、「社会保障を削減する」という志のもとに厚労省に入省したわけではないだろう。

 次回は、本記事公開日・2015年1月9日に開催される第22回生活保護基準部会と、取りまとめられた報告書について報告したい。もし日程的に可能であれば、予算案にどのように反映されるかもレポートしたい。

 大阪市の「生活扶助プリペイドカード化」など、気になる動きがあまりにも多い生活保護問題とその周辺ではあるが、最も重要なのは国家予算レベルでの動きであろう。