日銀は、来週20~21日に金融政策決定会合を開く。同会合で、10月の展望レポートで示した実質GDPとコアCPIの見通しを中間評価する。原油価格の急落を踏まえると、2014、15年度のコアCPI見通しの下方修正は必至と言えよう。

原油価格下落の影響:
「1次効果」(First-round effect)と
「2次効果」(Second-round effect)

 原油価格の下落がCPIに与える影響は、短期と中長期で異なる。短期では、エネルギー価格の下落に引っ張られる形でCPIも下がる。これが「1次効果」(first-round effect)だ。

 一方、中長期的には、生産コストの抑制を通じた交易条件の改善、ひいては需給ギャップの改善が見込まれる。需給ギャップの改善は2~3四半期の時差を伴って、CPIに上向きに働き始める。これが「2次効果」(second-round effect)である。

「1次効果」のシミュレーション:
原油価格が30ドルまで下がると
コアCPIは前年比マイナスに

 1次効果をシミュレーションしてみよう。具体的には、(1)CPIのうちのエネルギー価格(電気代、ガス代、灯油、ガソリン)の原油価格や、為替に対する弾性値を推計し、(2)その弾性値を用いて原油価格に応じてエネルギー価格、ひいてはコアCPIがどのように変化するかを見た。

 なお、原油価格の影響を抽出するために、シミュレーション期間中、ドル円は足もとの120円で横這うと仮定した(図表3参照)。

注:1.「コアCPI」は生鮮食品を除く総合CPI。
  2.異なる原油価格についてコアCPIへの影響をシミュレーション。原油価格(中東ドバイ)の想定は「当社予測」が2015年末70ドル/バレル、「90ドルケース」、「50ドルケース」、「30ドルケース」がそれぞれ2015年末90ドル/バレル、50ドル/バレル、30ドル/バレル。
  3.ドル円レートはいずれのケースも120円を想定。
出所:CPIの実績は総務省『消費者物価指数』、シミュレーションはバークレイズ証券
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