2015年の景気は出だしがよい
年初は、エコノミストが明るい話をするのが恒例になっている。だからというわけではないが、2015年の景気は出だしがよい。日本経済の好発進を示す、非常に強い経済データがいくつも発表されている。
1つは、日本の製造業の生産水準が、2014年12月・2015年1月と急上昇する予想データである(図表1参照)。これは、経済産業省の「鉱工業生産統計」にある生産予測指数である。2014年12月は前月比3.2%増、2015年1月は同5.7%増と伸びが大きい。予測指数であるから、実績の時点で下方修正される可能性があるとしても、それを割り引いても実績は高めになるだろう。
生産拡大は企業収益に貢献する。製造業の稼働率が上がると、企業の固定費負担が軽減される格好になり、収益が拡大する。2015年3月期の製造業の決算は、円安効果と生産拡大効果が相まって、さらに上方修正される公算が高い。これは株価にも好影響を与える。
また、生産統計の改善は、景気判定の有力材料になっている内閣府『景気動向指数』に大きな影響力を持つことが知られている。2014年の景気動向指数を見ると、2月から8月にかけて、景気後退期に陥ったと判定されてもおかしくはない。しかし、9月からは持ち直しが始まっていて、2015年上期は景気拡大が続く可能性が高いと見ることができる。