市場には2015年は日経平均株価2万円という声もあるようだ。確かに15年の日本株は国内景気の持ち直し、企業収益の拡大、株主還元の強化、年金のポートフォリオシフト継続などにより視界は良好だ。しかし、筆者は下値のめどを1万6000円とし、1万8000円を維持する手堅い相場を予想している。
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用見直し、日本銀行の追加金融緩和、消費再増税の延期、衆議院解散・総選挙に補正予算・経済対策報道と日本株買いを誘発しそうな政治・政策イベントは昨年末にかけて一挙に出尽くしてしまい、依然として投機筋の影響力が大きい東京株式市場で短期的な大相場はもはや期待しづらいからだ。
15年後半に米国の利上げが予想されていることも上値を抑える要因になる。ただし、原油安による物価下振れリスクから物価安定目標2%達成のめどである15年度を意識する日銀が再び追加金融緩和を実施した場合には、円安が一段と進み、日経平均株価は一時的に1万9000円を試す展開もあり得るとみる。