生活保護は切り捨てる? 2015年度予算案開会直前。厳粛な面持ちの部会長・駒村康平氏
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 この閣議決定および予算編成に先立ち、2014年12月27日、「平成27年度予算編成の基本方針」という文書が閣議決定されている。この文書内には、

「強い経済の実現による税収の増加等と、聖域なき徹底的な歳出削減を一層加速させる」(1ページ)
 「社会保障経費についても、いわゆる『自然増』も含め聖域なく見直し、効率化・適正化を図り」(2ページ)
 「生活困窮者に対する自立支援の強化と生活保護の適正化に取り組むなど、徹底した効率化・適正化を行うことで極力全体の水準を抑制する」(2~3ページ)

 とある。公的扶助に関わる経費(日本では生活保護費)・公債費・公務員の人件費は、先進国の多くで義務的経費となっており、日本も同様だ。「聖域なき見直し」という名の政策判断によって増減させることの可能な裁量的経費ではない。

 2015年度予算は、

・一般会計総額 前年度比0.5%増の96.3兆円
・社会保障費総額 前年度比3.3%増の31.5兆円(増加分は主に医療・介護)
・防衛費 前年度比2.0%増の4.9兆円

 となっている。社会保障費の中には、裁量的経費も含まれている。防衛費はもともと裁量的経費である。一方で義務的経費である生活保護費は、

・生活保護費総額 前年度比較2.1%増の3.0兆円 

 である。生活保護費に関しては、2013年度予算で決定された生活扶助削減が2013年8月より開始されているにもかかわらず、2013年実績の2.8兆円以後、増加が続いている。それは、生活保護利用者の増加が続いているからだ。「背景にある貧困の拡大に対して、有効な政策が実行されていないから」というしかないであろう(生活保護関連の予算額は厚労省の「平成27年度歳出概算要求書」による)。筆者は、しばしば生活保護利用者にぶつけられる「義務は果たさず権利(裁量権)ばかり主張」という非難を、政府に対してぶつけたい気持ちになる。

 第二次安倍内閣は、発足以後一貫して景気対策・産業振興・国防を重視している。その必要性と重要性は、もちろん筆者も大いに認めるところだ。しかし、国防の拡大・あるいは戦争を前提とした軍備までが真に必要であると認めるとしても、国内に貧困が拡大しており、低所得層も含めて個人も社会も「心身ともに健康」とは言いがたい状態を解消しないままで、産業振興や国防・軍備は機能しうるのだろうか?

基準部会は
「冬季加算は引き下げが妥当」と認めたのか?

 いまさら感はあるが、冬季加算の意味を再確認しておきたい。

 生活保護基準は、憲法第25条に定められた「健康で文化的な最低限度の生活(最低生活)」を実現するはずの金額である。しかし冬季には、光熱費・雪や強風への対策・防寒衣料等が必要不可欠なため、生活が圧迫されて最低生活以下になる。それを最低生活まで引き上げるために、冬季加算がある。