昨年10月、ソフトバンクがさらなる世界展開をするため経営参画したニケシュ・アローラ。米グーグルの最高幹部の職を辞してまで、孫正義と目指したい夢とは何か。就任後、その経緯を「週刊ダイヤモンド」1月24日号特集「孫正義 世界を買う」で初めてメディアに語った。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 後藤直義、文中敬称略)
2014年7月4日、イタリア南部にあるリゾートホテルでは豪勢な結婚披露宴が開かれていた。
主役はニケシュ・アローラと、インド有数の財閥出身の女性実業家アヤシャ・タパールの2人。会場にはグーグル創業者のセルゲイ・ブリンやラリー・ペイジ、またハリウッド俳優のブラッド・ピットといった面々が並んでいた。
そんな結婚という人生の節目を迎えていたアローラは、仕事でも大きな決断をしようとしていた。
6月のある週末に、米カリフォルニア州のロサンゼルスで休暇を楽しんでいたら、マサ(孫正義)から「今どこにいるんだ?」という連絡があったんです。
「ここに泊まっているよ」と滞在先のホテルの場所を返信したら、「分かった! そこにはおいしい日本料理屋が入っているよね!」と言って、何と突然訪ねてきたのです。そこで、私の妻になる人にも会ってもらいました。
その数週間後に私たちは結婚をしたのです。マサにも結婚式に出席してもらいました。そして私たちは、以前からあることを長い時間かけて議論していたのです。
アローラが初めて孫に出会ったのは08年のこと。孫があるアイデアをグーグルに持ち込んだのがきっかけだったという。
「ヤフージャパンの検索エンジンを、グーグルのものに切り替えたいという話でした」(ソフトバンク関係者)