預金通帳とにらめっこの日々
飲み会も費用対効果を考慮

第1回にも書いているが、筆者が会社を設立したのは昨年の9月11日である。そして9月からは東京都が運営しているインキュベーションオフィスに入居している。つまり、筆者にとって9月とは、

・会社設立のための資本金の拠出
・インキュベーションオフィスに入居するための保証金と家賃
・会社の設立・登記に必要となる手続き費用
・プリンターや冷蔵庫などオフィスに必要となる備品の購入費用
・今後の事業展開のために人と会うための旅費交通費や会議費

 など、会社を立ち上げるための費用と起業家として活動するための費用が膨らみ始めた時期でもあった。

 一方で、当然のことながら自分や家族を養うための生活費は発生していくことになる。

 なかでも恐ろしいのが社会保険料である。

 国家公務員の場合、共済組合に社会保険料を支払うことで、健康保険や年金制度の恩恵を受けることができる。その共済には、退職したとしても2年間に限って継続して加入できる仕組みがあるのだが、条件として、それまでに1年以上共済に加盟していた実績が必要となっている。

 筆者の場合、退職する直前まで官民ファンドの株式会社産業革新機構に出向していたことから、退職の直前までは厚生年金に加盟しており、この継続加入が認められなかった。

 結果として、退職と同時に国民年金と国民健康保険に加入せざるを得なくなったのであるが、その金額は前年度の収入をベースに計算される上に、共済年金や厚生年金のように会社負担分がないため、かなりの高額請求が来るようになったのである。

 筆者の場合、ありがたいことに退職直後から少しはお仕事をいただき始めていたので、何の収入もない起業家と比べると減り方は多少緩やかだったと思うが、会社設立費用、新事業創出のための活動経費、毎月の生活費、増大した社会保険料などが重なり合い、ものすごい勢いで貯金の残高が減り始めた。予め覚悟をしていたとはいっても、想像以上に不安になった。

 したがって、この時期においては、割り勘での飲み会は投資対効果を考えながらお誘いを受けるかどうか考える、お金になりそうな不用品はネットオークションで売る、通信費など毎月発生する費用でほとんど利用していないものは解約する、お昼はなるべく自宅に帰宅して食事をする、会社の備品は自宅や親戚の不用品で賄うといったことで切り詰めていったのである。