会議の数、出席者を半減させる
会議の改善は、時間を半減するだけに留まらない。大きな企業であればあるほど会議の数が多く、しかも内容的には若干重複していたり、1つにまとめればいいものを分けて開催したりしている。一度決めたらすぐに実行して成果を出せばいいのに、予備検討会、一次検討会、二次検討会、中間報告会、最終報告会事前打合会、最終報告会など延々と続く。
これらの会議の数を半分に減らすことは十分可能なはずだ。会議の数はどんどん増えていくので、半年に一度は棚卸しをして、数を半分にすべきだ。会議のかなりの部分は気休めであり、決定の先延ばしにすぎない。会議の場で新製品、新サービスが生まれ、成功することはない。
さらに、会議の出席者を最小人数に絞り込むことも、仕事を速く進めるうえで非常に重要になる。日本企業の会議は、会議の目的がはっきりしないこともあり、発言しない人も含めて非常に多くの人が出席する。つまり、情報共有のための多人数会議になっている。これを必要最小限に絞ることで、会議の総時間、総コストが大きく減る。自分や部下の生産性も大幅に上がる。
会議で情報共有することが大事だと考えている人も多いが、資料をメールで共有すればすむことも多い。各自が資料を見て、質問があれば社内ネット上で質問するようにすれば十分だ。月次朝礼のような顔を合わせた場で重要な発表をし、そこで質疑応答をするのはもちろん効果的だが、ほとんどの会議はそこまで差し迫っておらず、資料を見るだけですむことが多い。
会議は出席者が少なければ少ないほど、よい意味での緊張感が高まり、意味ある会議になる。3~5人くらいであれば真剣にならざるを得ないし、一言も聞き漏らさないように集中できる。20人もいたら、緊張感がゆるむのは必定だ。
会議の数、出席者を最小限にするには、会議コストを明示するとある程度の効力がある。役職ごとの福利厚生費を含めた時間当たり費用を、簡単なエクセルシートの表にしておく。会議の出席者の役職、人数、会議時間を入力すると、即座に会議にかかる総費用が計算できる。これを招集通知のたびに必ず明示するようにしておけばいい。