こうした感覚に対して走行中、同乗したエンジニアの方に質問し、技術的な背景を確認した。また、開発の過程での苦労話も聞いた。

国際試乗会に参加したマツダ関係者。本社役員、デザイナー、エンジニア、広報担当者らによる“全員野球体制”だ Photo by Kenji Momota

 約2時間の試乗後、各部門担当者から技術の詳細説明を受けた。通常、新型車の試乗会では技術説明を受けてから試乗に出る。今回は順番を逆にして、「感」を優先し、データを後から知るという流れだ。

 筆者は技術的な背景のいくつかを、走行中にエンジニアの方から聞いてしまった。だが、筆者としてはけっして後悔はしていない。なぜなら、「ND」をより深く知ることができたからだ。

 走行後、再び山本さんに会った時、筆者はこう言った。

「まるで、現代版『NA』ですね」

 それに対して山本さんは何も答えず、ただ笑っていた。

「ND」は80年代後半に開発された「NA」を単純に復元した訳ではない。だが、小型で軽量なオープンスポーツカーに楽しく乗る、という原点に、「ND」はしっかりと回帰した。

 現在マツダの自動車開発の3本の大黒柱、「SKYACTIV」「魂動デザイン」「ものづくり革新」を最大限に活用し、ロードスターの真骨頂である「人馬一体」を具現化したのだ。

「守るために変えていく」

 山本さんが掲げる、ND開発のメッセージである。

>>新型マツダ「ロードスター」世界初の公道試乗会レポート(下)に続きます。