大腸がんや胃がんなどの内視鏡検査は、苦痛を伴うことが多く、尻込みする人も多い。そこで、ダイヤモンドQ編集部の本誌記者が最新のバーチャル(仮想)内視鏡検査を試した。

 腸がんや胃がんなどの消化器がんの早期発見には、内視鏡検査が有効であることは間違いない。

本誌記者の大腸ポリープ画像を見せて説明する健康院クリニックの細井副院長

 しかし、内視鏡検査はしばしば身体的な苦痛を伴う。特に大腸の内視鏡検査の場合、陣痛のような強烈な痛みを感じる人もいるという。そんな話を聞いてしまえば、なかなか受ける気がしないものだ。

 だが、医療技術は日進月歩。世の中には、痛みがなく、短時間で胃や大腸などを検査できるバーチャル(仮想)内視鏡という便利な最新装置があるのだ。

 仮想内視鏡とは、最新のマルチスライスCTを使った精密検査だ。CT撮影した画像を、まるで本物の内視鏡でのぞいたかのように、立体的画像で映し出すというものだ。

 この仮想内視鏡は、どれほどすごいものなのか──。

 日本には数台しかないということもあり、今回、健康院クリニック(東京都中央区)の協力を得て、本誌記者が大腸の仮想内視鏡検査を実際に受けてみた。

 まず、検査前日は検査食だけで済ませ、前日夜と当日朝に下剤と造影剤を服用。トイレで大腸を空っぽにした状態で、検査に臨んだ。

 さて、その感想は──。

 実は記者は、その1ヵ月前に本物の大腸内視鏡検査を受けていた。日頃、付き合いのある医療ライターや医師からは「ものすごく痛いよ」と冗談半分で脅され、戦々恐々として検査を受けていたのだ。

 本物の内視鏡検査では、陣痛ほどの痛み(といっても男性なので理解できない)ではないが、腸が曲がった部分をカメラが通過するときは、ごりごりとした嫌な感触と痛みを味わった。検査当日の朝に2リットルもの下剤を飲むのも苦痛だった。

 一方、仮想内視鏡は、肛門からガスを注入して腸内を膨らませる工程はあるが、検査自体は寝転んで約16秒の撮影を2回実施しただけで終わった。トータル15分もかかっていない。もちろん、痛みはまったくない。当日朝に飲む下剤の量も200mlとはるかに少なくて済んだ。

 仮想内視鏡とは直接は関係ない話だが、肛門から入れるガスも、今回の検査では炭酸ガスを使用していた。通常の大腸内視鏡検査では空気を使用することが多い。空気の場合、お腹が張って苦しくなったり、検査後も腹満感が残る。今回の炭酸ガスの場合、空気に比べ、体内に吸収されやすいために、こうした腹満感も圧倒的に少ないと感じた。