ワタミの凋落が止まらない。居酒屋業態の不振で、今期(2015年3月期)は、1996年の上場以来、初の連結営業赤字に転落する見通しだ。44歳と若い清水邦晃氏の社長登板で巻き返しを図る。

Photo by Ayako Suga

──長年にわたる居酒屋業態の不振は、どこにあると分析していますか。

 毎年、皿単価を少しずつ引き上げてきて、利用者がチェーンに求めているものとの間にズレが生じてしまいました。特に、消費税率が8%に引き上げられた昨年4月には、税込みで皿単価が20%も高くなり、一段と客離れを招く要因になってしまいました。

 アンケートを取ると、ワタミに対するイメージは「安い」がトップに来ます。いくら付加価値の高いものを提供しても、居酒屋チェーンに求められているものとは違ったのです。1000円のステーキなど、高単価ではあるものの高品質な商品も出したのですが、注文するお客は100人に1人いるかいないかです。

 和民のようなチェーンは、目をつぶって注文しても、そこまで高くならないという安心感がありました。それが、これまでの感覚で注文すると、今は会計時に痛い目に遭ってしまう。お客はそれを見抜いて、お財布の中身と相談しながら注文するようになりました。

 こうした結果、皿単価は20%上がりましたが、客単価の方は3~4%しか上がっていません。

──それで、また価格改定に踏み切るのですね。

 3月からわたみん家で、4月から和民において皿単価を1割引き下げます。