ふつうを維持することが動機づけとなる
これまでは、出世したいとか、いい生活をしたいなど、上へあがる意欲が動機づけと考えられてきました。しかしそういう人は少なくなって、ふつうでいいと考える人が増えてきたから、動機づけが難しくなったと思われています。
しかし、そうではありません。ふつうを維持することが動機づけとなるのです。
人並みでいたいから、じつはブランド品が売れるのです。女性が、ブランドのバッグや財布をほしがります。セレブな女性ではなく、ふつうの女性がほしがるのです。
この心理はなんでしょう。セレブになりたいからでしょうか。そういう気持ちも多少はあるかもしれません。
でも、ブランド品を手にすることが、いまはふつうになってきたからでしょう。つまり人並みでありたいと思っているからブランド品が売れるのです。
流行のファッションも同じです。女子高生のスカートが短いのは、皆と同じでありたいと思うからです。自分だけ長くするのは人並みでなくなるから、そうしないのです。
これは、人間心理の不思議な現象です。仕事でも、人並みでありたい欲求は強くあるのです。
この心理は立派に動機づけになると、お分かりになったでしょうか。