連載の第2回で、志を立て、その旗を掲げることの重要性を述べた。しかし「日本一になろう」「地域いちばんの店にしよう」と言うだけでは足りない。部下にとっては自分とどう関係するのか分からないからだ。そこで大事なのは、大きなゴールに到達するための小さなゴールを作ることだ。
志を立てても結果が出ていないのはなぜか?
いろいろな会社で日本一をめざそうとか、地域ナンバーワンの会社になろうとか、旗を掲げているのに出逢います。
すばらしいなと思います。しかしその結果が出ているようには思えません。5年経っても5年前となにも変わっていません。それどころか、5年前よりも悪くなっている会社もあります。
これは旗を掲げても、行動が伴っていないからではないでしょうか。
旗だけ掲げ、あとは社員任せ、部下任せになっていないでしょうか。
結論から言えば、きっとゴールが遠すぎるのだと思います。「日本一」といえば、なるほど話が大きくて、旗を掲げたときはワクワクもするでしょう。
だが、それも少しの間です。いつまでたってもどれだけ努力しても、日本一にはなかなか到達しません。この現実にぶつかると部下はやがてあきらめてしまうのです。
リーダーがチームのメンバーに「日本一」を叫べば叫ぶほど、しらけきった雰囲気がチーム全体にただよいます。そこに至る行程表がないと、日本一の旗もむなしく見えてきてしまうのです。