先週の総括
先週の日経平均は前半急伸したものの、週末にかけて売られる展開となった。週初は9000円台を回復。政府の経済対策や日銀の利下げを好感した形だ。オバマ新大統領の経済対策の期待も後押しし、5日には10月15日以来の9500円台を回復した。
しかしその後は、急騰による戻り売りも出て反落。米国株式市場の下落も嫌気された。結局前週末比0.1%高い8583円で引けた。
規模別には、特に差はなかった。マザーズ指数は前週比プラス9.8%と大きく上昇した。業種別には電力、ガス、不動産のみ上昇した一方、精密、保険、ガラス土石が大きく値下がりした。
今週の予報
電子部品業界は単価下落に悩まされ
「雨」→「雨」
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今週の日経平均は、神経質な展開を予想する。週末にやや唐突感のある欧州での一斉利下げが敢行されたが、日経平均は無反応だった。トヨタの業績下方修正でトヨタ自動車株が一時ストップ安売り気配となるなど、先週好転したかに見えた市場心理が再び暗転しつつある。
金融緩和によって真っ先に資金が集中しそうな国際商品価格が下げ止まらないことも不気味だ。株式などリスク資産に対する資金回帰にはまだ時間がかかる印象である。
電子部品業界の業績が悪化している。電子部品大手の中間決算が揃ったが、日本電産を除いて軒並み営業減益に陥った。
京セラは、通期営業利益予想を期初の1450億円から740億円へ一気に引き下げた。村田製作所も、700億円の通期営業利益予想を400億円へ引き下げている。
3月頃から受注動向がマイナスに転じてきており、8月は10%程度のマイナスまで拡大したようだ。よってこの業績下方修正に意外感はないが、いったい電子部品業界に何が起こっているのだろうか。