きれいに皿を洗うにはいっぱい洗剤を使ってゴシゴシ洗えばいいかといえばそうではなく、かえって泡切れが悪くて時間がかかってしまう。お皿の大きさや汚れに応じたベストの洗剤量があり、できる人はそれをきちんと考えて皿を洗う。

 また、レストランの洗い場にはかなり洗い物が積み重なるが、できる人は何も言わなくてもシェフがいつも手を洗う蛇口のところはスペースを確保する。そうやって仕事に集中し、場を読んで動く人はだんだん人をまとめられるようになり、やがて店を持てるようになっていく。逆に「皿洗いなんて」と文句ばかり言って仕事に集中できない人は、いつの間にか消えていく――。

 そんな話を聞くと、すべてのチャンスの起点は目の前の仕事のなかにあるのだと思います。

 大志を抱くのはとてもよいことですが、そのためにいまの仕事に力が入らなくなってはいけません。本当に心の底からやりたいことでない限り、軽はずみに転職はしないほうがいい。焦り過ぎて恵まれた現状を大切にできなくなっては本末転倒です。