本気でマーケティングを利用して売上を上げたいなら
【A/Bテスト】を積み上げろ!

 私は、そんな結果の出るか出ないかわからない大がかりなビッグデータ調査よりも、もっと実践的でやればやるほどノウハウがたまり、売上が上がっていくシンプルなマーケティング方法を全力でお勧めしたい。

 それは何かというと、ズバリ【A/Bテスト】だ!

「なんだ、これだけ大きなことを言って【A/Bテスト】か」
 ……と思ったあなた!

【A/Bテスト】を侮ってはいけない。
【A/Bテスト】を繰り返すことほど、確実、堅実にノウハウがたまり、売上が上がる。念のため、【A/Bテスト】とは何かを簡単に説明しておこう。

【A/B】テストとは、効果・結果を比較したい要素(キャッチコピーや写真、デザイン、価格、ビジネスモデルなどなど)を何パターンか用意し、それらを同条件下で広告展開することで、実際の利用者の反応を調べる方法である。

 やり方は簡単だ。まず、A案とB案の2つを用意しよう。
 これらを同じ条件のもと、比べてみるだけだ。もしAのほうが効果があったら、Bは捨て、新たにC案をつくって、さらに比較してみる。
【A/Bテスト】には終わりがなく、日々、その成果を積み重ねることができる。

【A/Bテスト】は元々、DMの効果測定のために実施されてきた手法であり、それこそ10年以上前から存在する。「そんな古い方法を持ち出されても……」という言葉が聞こえてきそうだが、とんでもない。

短期的かつ低コストで、誰にでも結果を出せる、今でも現役の最強の方法である。

ビッグデータでは絶対儲からない!<br />儲かりたければ【A/Bテスト】をやれ

A/Bテスト】が最強な理由は、マーケティングと売上改善が同時に行えることだ。

 ビッグデータなどの分析をメインとしたマーケティング手法では、データと向き合い、現状における問題点という仮説を生み出す。改善はその先の先だ。

 一方、【A/Bテスト】では、すぐに結果を見て、それを改善していく繰り返しだ。

 問題点の仮説をみんなで考える。ここは仮説なんだから、仮説でいい。
 次に実際に選ばれた仮説が本当かどうか、問題となっている部分を変えて小規模でテストしてみる。結果、その仮説が正しかったか間違っていたかが判明する。

 賢明な方なら、もうおわかりのはずだ。そう【A/Bテスト】には必ずしもビッグデータを必要としない。乱暴な言い方かもしれないが、仮説は何だっていいからだ。

「男性に人気がありそうな商品だから、一方はたくましい男性モデル、もう一方はちょっと知的に見えるメガネをかけた男性モデルで比べてみよう」

 初めはこの程度でかまわない。その結果を後日、検証し、また仮説を立てる。勝ち残った仮説はどんどん骨太になっていき、これを半永久的に繰り返せば、ずっとマーケティングの費用対効果は必ず上がり続け、売上も必ず上がり続ける!

 実行を繰り返すだけなので、誰でもできるし、マーケティングを行いながら売上も上げていける。しかも初期投資なんていらないから、明日にだって始められる。

A/Bテスト】を実施して改善を積み重ねていく習慣をつけていくと、社員は自分の頭で考えて行動するよいサイクルが生まれてくる。

「こういう状況下では●●のほうが効果的だ」
「あのときは、●●だったから、それを踏まえて××にしよう」

 というようになってくれば、データは最高のパフォーマンスを発揮する。
 データだけを集めて終わるのとはワケが違う。

 まとめると、データから得た情報があるなら、それは仮説のための一つの素材とし、実際の行動では【A/Bテスト】に落としていき、一つひとつ検証していく。

 その繰り返しこそ、結果への最短距離だ。

 同時に、仮説・検証の徹底が社員の能力を上げ、何よりも短期的に、低コストで売上を上げるのである。社員たちが日々の業務の中で自然に【A/Bテスト】が実践できるようなノウハウが築き上げられれば、売上アップの体制が整ったも同然。効果が出るまで検証を繰り返せばいいのだから、必ず成果が出る。