最大3兆1280億円あった公的資金を6月にも完済すると発表して以降、りそなホールディングスの東和浩社長が初めてメディアのインタビューに答えた。

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──公的資金の完済と同時に発表した中期経営計画では「攻めの経営」をうたう一方で、「守り」の財務の健全性向上も打ち出しています。どうバランスを取りますか。

 中核的自己資本(普通株式等Tier1)比率の目標を従来の5.5%から、有価証券の含み益を除いた水準で8%に引き上げます。そのプラス分2.5%のうちの1%、金額でいうと約1700億円は今後の戦略的な投資や経済変動に対するバッファーなどとして持っておくという考えです。

 8%の達成が最優先とは言い切れません。資本の積み上げが多少遅れるとしても、IT投資など本当に必要な投資はやらなくてはいけません。収益環境も変わりますし、自己資本規制による資本コストとの兼ね合いも考えながら、環境変化と財布の中身を見てバランスを取るのが重要だと思います。

──現時点で、戦略投資はシステムやITに振り向ける考えですか。

 そうですね。リテール(中小企業・個人)分野でナンバー1を目指して独自で強みのあるサービスを提供しようと思っているので、常に半歩先を進んでいないといけない。それが難しくて、そのためにはIT投資の継続が必要です。