04年には天然ゴム含有量をアップした「デジタイヤ ECO EC201」、06年には石油外天然資源使用比率70%、転がり抵抗30%低減(EC201比)を実現した「ENASAVE ES801」を開発。そして07年にようやく究極のタイヤ「ENASAVE 97」の開発に漕ぎ着けたのだ。

  「残り3%は老化防止剤などの化学物質。現段階では難しいが、2013年には石油外資源比率100%を達成するメドが立っている」(住友ゴム工業)と、同社は意欲を語る。

 その徹底ぶりは、製造過程、使用過程、廃棄過程といったタイヤのあらゆるライフサイクルにおいて、環境への負荷軽減を視野に入れていることからもうかがえる。

 たとえば「ENASAVE 97」は、従来品(デジタイヤ ECO EC201)と比べて、原材料・設計段階で17%のCO2削減効果がある。前述のように、完成品として出荷され、ユーザーが使用しているあいだも、転がり抵抗を低減して燃費をよくするため、やはりCO2削減効果は大きい。

「究極のエコタイヤ」は
ライフサイクルそのものがエコ

 特に興味深いのは、廃棄時である。「リサイクル率がほぼ100%」と言われるタイヤは、約6割が製鉄工場やセメント工場などで燃料として燃やされるため、廃棄時に膨大な量のCO2を吐き出すのが常だ。だが、バイオマス(化石資源を除く生物由来の有機性資源)率が57%と高い「ENASAVE 97」は、廃棄時に94%ものCO2削減効果があるという。

 最近では、競合他社も触発されて、石油資源比率を少しでも減らそうとエコタイヤの開発を加速しているが、目下のところ70~80%の低減が限度のようだ。「化石資源を全く使わないタイヤ」の早期実現は、事実上、住友ゴムグループの肩にかかっていると言ってよいだろう。

 自動車大国・日本におけるタイヤの出荷数は、取り替え用だけでも年間約7000万本に上ると言われている。将来的にこれらのタイヤが全てエコタイヤに置き換わると考えれば、その環境負荷の低減効果はまさしく絶大。

  「ENASAVE 97」のようなエコタイヤが今後どんどん普及すれば、都会の空気は今とは比べ物にならないほどおいしくなるかもしれない。

(ダイヤモンド・オンライン 小尾拓也)

環境フロンティア2009