春の訪れとともに、経済指標の内容も段々と明るくなってきた。代表例としては、2月・3月発表分連続で、景気動向指数の判断が、それまでの弱めの判断から「改善」になっていることが挙げられよう。

春闘での賃上げ実施のニュースなどがプラスに作用し、消費者のマインド指標にも改善の動きがみられる。身近なデータでは、ほどほどに多い花粉飛散数が医療費中心に今春の個人消費をサポートしそうだ。

最近は、「15~17年ぶり」、あるいは「22~23年ぶり」といった金融危機、バブル崩壊といった過去の問題を克服したことを示唆する明るいデータが散見される。景気は2015年度を迎え、経済の好循環が回り始めていると思われる。

今年の花粉飛散数は
個人消費をサポートか

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 春闘での賃上げのニュースなどがプラスに作用し、消費者の景況感が少しずつ明るくなってきた。

「消費動向調査」の消費者態度指数(一般世帯・季節調整値)は2月分で40.7と昨年8月分以来半年ぶりに40台まで戻ってきた。「景気ウォッチャー調査」の現状判断DI・季節調整値は2月分で50.7へ回復、消費税率引き上げ直前の昨年3月分の53.4以来11ヵ月ぶりに景気判断の分岐点である50を上回った。

 身近なデータではこの春は花粉の飛散数が医療費の面から、個人消費にプラスに働きそうだ。今年の東京・大田区の花粉飛散数予想値(最大・最小の平均)は、85年~2014年の30年間の実績平均値を100とした指数で122。飛び始めから約1ヵ月の3月15日現在で60である。一昨年は132で歴代第9位、昨年は100で歴代11位であった。今年は両者の間で歴代第10位程度に相当しそうだ。

 05年のように369とあまりに多く花粉が飛ぶ年は、人々が外出を控えることから個人消費にはマイナスに寄与するが、100の前半台程度でほどほどに飛ぶ年は消費にプラスに働く。今年3月分の家計調査の前年同月比は、昨年の駆け込み需要の反動でマイナスにはなってしまうが、花粉飛散数はマイナス幅縮小要因になりそうだ。