成長できる人の「5つの能力」
自己評価でAをいくつ取れるか
自らのキャリアを成功に導くための要諦はどのようなものか、前回まで年代別に考えてきた。
新入社員はまず、仕事の型を身につける必要がある。続いて20代では自己ブランドの社内構築だ。「〇〇君(さん)は優秀だね」と社内でいわれる存在を目指す。30代では自分の型を見出し、プロへの第一歩を踏み出す。目指すは「××と言えば○○君(さん)だよね」といった評判だ。40代には一流のプロフェッショナルとして、社内だけでなく社外でも名前が取りざたされる存在を目指し、50代になったら、世代継承性と社会貢献を優先するようになるべきだと思う。
これが理想のキャリア成長論だが、これを実現するためにはいくつか必要な能力がある。それをキャリア成長のための5つのメタ能力と呼んでいる。
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5つのメタ能力とは(1)職務能力、(2)リーダーシップ、(3)学習する力、(4)オートノミー(自律性)、(5)人としての力、である。今回から2回にわたってこのメタ能力について詳しく説明してみたい。
理想は若いときから、この5つの能力すべてを高レベルで身につけることだが、なかなかそういう人はいないものだ。
これらの能力の中で自信のあるものを尋ねれば、職務能力や専門能力、そしてリーダーシップを挙げる人が多いのではないだろうか。そして、これこそが成功するキャリアを形成する最も重要な能力と考えるのではないだろうか。
40代のビジネスパーソンに質問したとすると、(1)の職務能力には自信があり、(2)リーダーシップにも少し自信がある。しかし、(3)学習する力と(4)オートノミーはよくわからないのでやや自信なし、(5)は照れくさいので自信なしと答えておこう、というようなところではないだろうか。さて、読者の皆さんはどうだろうか。
それぞれ3つずつ質問をするので、ABC3段階で自己評価をしてほしい。3つとも○ならばAということでもいいし、3問全体を考えて、自己評価してもらってもいい。ただ、誰に言うわけでもないので、素直に自分に答えてみてほしい。